tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

アメリカ・ギリシャと日本の違い

2010年03月14日 11時09分30秒 | 経済
アメリカ・ギリシャと日本の違い
 ギリシャの財政危機問題を論議する中で、日本の方がもっと危ないのではないかといった論調もかなり見られます。

 確かに、財政の累積赤字のGDPに対する比率を見ると、ギリシャの120パーセント台に対して、日本はすでに190パーセントを超えていますから数字としては、より深刻なのかもしれません。

 しかし繰り返し述べてきましたように、アメリカやギリシャは、財政と国際収支がともに赤字、いわゆる「双子の赤字」です。日本の場合はこれも繰り返して述べてきましたように国際収支は一貫して黒字です。

 つまり財政赤字は、すべて国民の貯蓄で賄っているわけで(現状、日本の国債の海外保有率は6~7%程度)、アメリカのように、サブプライムローンの証券化で海外に多大な迷惑をかけたり、ギリシャのように、EUの他の国から支援を渋られたりという事は起こりません。

 問題は、日本の政府と国民の間で起こるわけで、いわば、家庭内の夫婦間の問題のようなものでしょうか。だからといって深刻でないということではありません。夫婦間でも深刻なものは深刻です。
 但しよそ様には迷惑はかけないというのが、まさに「日本の良心」でしょう。

 こんなことがいえるのも、日本人が、将来のためということで、生真面目に貯蓄 をするからです。しかし、今後もGDPが縮小し、雇用が減り、賃金水準が下がり、高齢化が進めば、いよいよ貯蓄も出来なくなる日が来るかもしれません。

 その時は日本も「双子の赤字」国の仲間入りという事になるのでしょう。
 それまでにはまだ少し時間がるようです。時間があるうちに、その余裕を巧く使って日本経済の本格的な経済立て直し策を考えることが今最も大事なことではないでしょうか。
 6月発表予定の政府の「長期経済成長戦略」の中身が国民にやる気を起こさせるようなものであることを期待します。


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